ライターを続けている動機のようなもの
- 先週、関わらせてもらっていた書籍の原稿が校了しました。
長い時間をかけて、著者さん、編集者さんと一緒につくった本です。
今回の本も、私にとって、とてもとても思い入れのある1冊になりました。
数年後ふりかえったときに、「私の仕事人生の分岐点だった」と思うかもしれない。
そんな予感さえするほどです。この書籍に関われたことに心から感謝しています。
今回、約1年をかけて、さまざまな方にお話をうかがいました。
楽しい記憶も、悲しい記憶も、一緒にたどりながら、
私も追体験をするような気持ちで、みなさんにとって大切な大切な話を、
一つひとつ時間をかけて聞かせてもらいました。
インタビューさせてもらえることのありがたさを何度もかみしめましたし、
「人の話を聞かせてもらうって、どういうことだろう?」と自分の仕事を振り返ったりもしました。
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私がなぜ、飽きずにライターの仕事を続けられているのか。
それは、書くことが好きだから、ではありません。
書くことは、むしろしんどい。
ライターとしてどうなの?と言われそうですが、書きたいという欲求はあまりないのです。
では、なぜ私がライターを続けているのかというと、
人の話を聞かせてもらえるから、なんですよね。
そして大事な話を聞かせてもらったからには、
届けたい人にちゃんと届くように、という気持ちで書いています。
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フリーランスになってから、よくもわるくも、自分で仕事を選べるようになりました。
一つだけ、心に決めていたことがあります。
それは、書く仕事については、「取材あり」の仕事を受けること。
取材のない仕事は、私にとっては、面白さが半減してしまうから…。
キャパが小さいおかげもあって、
フリーランスになってから約6年、書く仕事についてはほぼ取材ナシの仕事はしていません。
インタビューの最後に伝える、
「お話を聞かせてくださって、ありがとうございます」の言葉は、
ただの挨拶ではなく、本当にほんとうに、心からの言葉です。
そして今回の本づくりで、たくさんの方からかけてもらった「話せて、よかった」という言葉や、
晴々とした笑顔や、「聞いてくれてありがとう」という涙まじりの言葉もまた、社交辞令ではなかった気がしています。
今回の仕事を通して、もっとやってみたいことも、見えてきました。
勉強したいこと、経験したいことも、たくさんあります。
そう思える仕事に携わらせてもらったことに感謝です。
12月上旬に出版予定です。また報告させてください。
(2019.11.15)